Zeebraとkjの因縁 日本語ラップシーンに輝く名パンチライン
「俺は東京生まれヒップホップ育ち 悪そうな奴は大体トモダチ」
もうひとつは、これもZEEBRAが絡むのだが、
「オメェのGrateful Daysも今日まで」
公開処刑 キングギドラ 高音質 - YouTube
Grateful DaysでのkjとZEEBRAのフューチャーは、
当時盛り上がっていたジャパニーズヒップホップシーンで友好的な共演だった。
当時、シーンをアゲる有望な若手とアングラな時代からシーンを支えてきた先駆者的存在の共演。
実際にGrateful Daysはミリオン近い売上を誇り邦楽においてジャパニーズヒップホップをオーバーグランドに押し上げた歴史的名曲だった。
確実にジャパニーズヒップホップシーンに火が灯った瞬間だった。
これを機にkjを中心にさらにジャパニーズラップシーンが盛り上がっていくように思えた。事実、チャートにラップは増え、先人ラッパーは再評価され雨後のタケノコのように新しいラッパーも量産された。
あの共演は壮大なイントロにも思えるほどの攻撃
それ以前からZEEBRAはKjをDISしていたらしいけれど、これだけ直接的な表現で公の場での非難はKjもカナリのダメージを受けた事だろう。
今のファッション化したDISとは怒りのレベルが違う
Kjは相当なダメージがあったのかそれ以降明らかに作風が変わった。ラテン系やボサノバ系サウンドを取り入れ出したり、それはそれでアーティスティックではあったのだけれど、当時のDragon Ashファンが欲している音ではなかった。迷走してる感じさえあった。
さぞかし悩んだ事だろう。DISをヒップホップの要素と考えるZEEBRA。それに対しKjは音楽で和をなしたいタイプだからかアンサーは出されなかった。
あそこまでのDISで何も言うことが出来なくなったのだろう。
さながら8mileでのエミネムが最後にバトルに勝ったときのようだ。
Kjがヒップホップシーンから離れるに連れて、ほぼ同じ頃からヒップホップ人気に陰りが見え始めてきた。
実証は出来ないけれど無関係とも言いがたい。
当時、Kjこそが一番上手く、一番違和感無くラップをJ-POPに組み込めた。
万人ウケするラップミュージックを上手に作れたのはKjの才能であったのは間違いない。
Only Holy Storyなんかは今でも十分聞けるサウンドだと思う。
しかし御大ZEEBRAからワックのレッテルを貼られてしまったKjはそれ以上ラップを書くことが出来なくなってしまった。
ジャパニーズヒップホップシーンの才能を失ってしまったのは悲しい事だったが、やはりZEEBRAのDISのエネルギーはすさまじい。
ヒップホップを広く裾野まで拡散させたのがKjだとしたら、
そしてキングギドラの「最終兵器」はclassicとなった。
英雄が去った後、ヒップホップは再びマイノリティかつアングラなものになってしまったがヒップホップは死んでいなかった。
地下闘技場では漢のようにバトルで名を馳せるMCも出てきたし、
リアルなストリートライフをラップするAnarchyやAK-69なんかもプロップスを得るようになった。
D.Oさんの言葉を引用すると「新しいスペースが生まれた」と言う事だろう。
逆に売れ線狙いの童子-TやSould Outなんかはボロクソに叩かれた。セルアウトだと。
ヒップホップの現状と未来
近年、ジャパニーズヒップホップシーンはかつての栄光を取り戻せる所まで来ている。
UMBやKOK、罵倒に戦極、高校生ラップ選手権や社会人ラップ選手権もそう。
音楽番組が減っている現状でフリースタイルダンジョンのような番組が生まれ注目を浴びていることも盛り上りを物語っている。
一昔前に比べて、一般人も入って行きやすい環境が出来てる。
進化を重ねるジャパニーズヒップホップ!
一昔前のようにラップを駄洒落やら親父ギャグと思っている人も減った。
自分はAKLOのRGTOを聞いた時に、ジャパニーズヒップホップもここまで来たか!と感動を覚えた。
今、Grateful Daysばりに特大ヒットのラップが生まれたらジャパニーズヒップホップシーンはもっと面白くなると思う。
その時はジブさんの何て言うかな?